/更新:2024年07月03日 公開:2022年01月17日
フィルムの正しい保管方法とは?保存時の注意点をわかりやすく解説
- # デジタル化# ネガ# フィルム
フィルムの正しい保管方法をご存知でしょうか。フィルムは保管環境によっては非常に劣化しやすいため、いざ現像してみたら、色あせや部分的な潰れが出て美しくプリントできないということがあります。そこで今回は劣化を防ぐための保管方法についてご紹介。劣化の原因や保管時の注意点も合わせて解説するのでぜひご覧ください。
フィルムが劣化する3つの原因
フィルムが劣化してしまう3つの原因について解説します。原因をしっかり把握して、劣化を防ぎましょう。
ビネガーシンドローム
高温多湿下での保管によって、空気中の水分とフィルムの素材が結合し、加水分解が起こる現象です。初期症状の酸っぱいニオイが特徴的で、放置しておくとフィルム表面にベタつきが発生し、次第に丸く反ったり波打つような変形を起こします。また、フィルムの表面から溶けたように水分がにじみ出る、ひび割れが発生することもあります。
カビ
湿度が高い場所に保管していると、カビが生える恐れがあります。フィルムは一度カビが生えてしまうと、現像してもカビの部分だけ潰れたり色褪せたりして、綺麗に蘇らせることはできません。湿度が管理された環境で、しっかりフィルムを保管しましょう。
紫外線
長期間に渡って紫外線を浴びたフィルムは、色素分解による変色や退色を起こします。ネガフィルムの時点では、それほど変色や退色を感じなくても、プリントすると一目瞭然です。できるだけ直射日光の当たらない場所での保管を心掛けましょう。
フィルム保管時に気を付けたいポイント
フィルムを保管する際に覚えておきたいポイントをご紹介します。ちょっとした心がけでフィルムの劣化を防ぐことができるので、よく確認しておきましょう。
高温多湿を避ける
高温多湿の環境下でフィルムを保管すると、ビネガーシンドロームやカビの原因になります。ビネガーシンドロームは高温多湿を避けるだけでなく、風通しのよい場所で保管することで予防できるでしょう。
カビは湿度70%以上の環境で発生しやすくなるとされています。一年を通して適切に空調管理がされた、湿気の少ない環境に保管するようにしましょう。
長時間、光に当てない
紫外線がフィルムに当たると、色素が分解されて綺麗に現像できないことがあります。直射日光はもちろん、蛍光灯が原因となることもあるので、通気のよい暗所に保管することをおすすめします。
包装を中性紙製包材へ交換する
フィルムを保存するための包装を、酸が発生しない中性包材に交換するのもおすすめです。史料保存などの専門員も勧めている保存用の材質で、ビネガーシンドロームを防ぐだけでなく、フィルム表面を傷や汚れから守ります。
フィルムに直接触らない
フィルムに素手で直接触れると、手の皮脂や水分が付着し、カビや劣化の原因になります。フィルムを移動させたり確認したりする際はできるだけピンセットを使い、指で触れないように注意しましょう。
早めに現像する
フィルムは保管条件が厳しいため、一般家庭では完全な空調管理ができないことも多いでしょう。綺麗な状態で残したい写真は、フィルムのまま保管するのではなく、早めに現像しておくことをおすすめします。写ルンですなどのレンズ付きフィルムカメラも、撮影後はできるだけ早く現像しましょう。
フィルムの劣化を防ぐおすすめ保管方法
フィルムの保管方法は、保存するタイミングやどのくらいの期間保管するかによっても異なります。フィルムの劣化を防ぐためにおすすめの保管方法を、タイミングごとに見ていきましょう。
撮影前
フィルムをすぐに使用する際は、高温多湿を避けて冷暗所に保管しましょう。数ヵ月間保管してから使用するのであれば、密閉できるビニール袋に入れ冷蔵庫へ。1年以上保管するなら冷凍庫で保存するとよいでしょう。ただし、冷蔵庫や冷凍庫内の湿度は高いため、定期的なチェックと除湿剤の使用を忘れずに。使用時は結露防止のため、室温に戻してからフィルムの包装を開けましょう。
撮影後
撮影済みのフィルムは早めの現像がおすすめです。すぐに現像できない場合は、フィルムを密閉できるビニール袋またはフィルムケースに入れ、冷蔵庫の中で保管しましょう。
現像後
現像後のフィルムは、湿度の低い冷暗所での保管をおすすめします。特に、カビ対策として保存場所の定期的な換気は必須です。また、各フィルムにどの写真が入っているか分かるようインデックスシートと一緒に保管しておくとよいでしょう。
撮影後のフィルム保存にはデジタル化がおすすめ!
フィルムは保管が難しいため、劣化を完全に防ぐのは不可能に等しいです。いつでも現像できるよう、撮影後のフィルムをきれいに残しておきたいという人には、デジタルデータ化がおすすめ。大切な写真の劣化を防ぐだけでなく、保管場所の問題も解決してくれます。
データ化することで、スマートフォンやタブレット、デジタルフォトフレームなどへの転送も可能になるので、大切な写真を最大限活用できるでしょう。
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正しい保管方法でフィルムに詰まった大切な思い出を守ろう!
フィルムを劣化させる原因や、フィルム保管時のポイント、データのデジタル化についてご紹介しました。高温多湿な環境や紫外線に弱いフィルムは、空調管理や換気の行き届いた場所での保管が不可欠です。大切な思い出を守るためにも、フィルムの劣化を加速させる環境を避けて保管しましょう。
カメラのキタムラでは、お店にフィルムを持ち込むだけで簡単にフィルムのデジタルデータ化が可能。CDやDVDなどのメディアに保存すれば、劣化の心配をせずに、フィルムのバックアップを取ることができます。大切な思い出を失うことがないよう、ぜひフィルムのデジタルデータ化をご検討ください。
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